2020年10月15日のことでした。
夫の父の訃報が届きました。
もくじ
旭川の実家から
10月15日朝、まだ私たちが寝ていたときに、私のスマホが鳴りました。
表示は「旭川実家」夫の実家です。
イヤな予感を覚えつつ出てみると、義母が「○○(夫)の電話がつながらなくて…」と言うので、すぐ夫を起こして電話を替わりました。
夫のスマホは、寝るときに動画でも見ていたのか、イヤホンがささっていて、でも耳からは外れていたので音がでなかったようでした。
夫と義母がしばししゃべって、電話が切れた後夫が、「父さん亡くなったって」
やっぱり、イヤな予感の通りでした。
こんな時間に電話なんて、それしか考えられないし。
この1週間ほど前に義実家から電話があって「もう手の尽くしようがない」と医者に言われたと言っていたのでした。
ステージ4のガンだった義父
義父は、私たちが結婚してからしばらく後に、ガンの宣告をされました。
ステージ4で、抗ガン剤治療を始めるとのことでした。
最初に自覚症状があったのか、検査で何か言われていたのか、詳しくは聞いていませんが、兆候があったときに病院に行くのを渋っていたようで、発見されたときはもうステージ4。
夫はおそらく、1年以上前の第一報ですでに覚悟を決めていたように思います。
すぐに病院行かなかったんじゃ仕方ないと言っていました。
なんとしても娘の顔を見せよう
去年の今頃、私たちは、「年末年始は絶対に夫の実家の北海道に行こう」と決めていました。
ステージ4ではいつどうなってもおかしくはない。
初孫である娘の顔を、義父に見せなくては、と思っていたのです。
そして、年末に北海道へ向かいました。
無事、娘と義父を会わせることができました。
ほんと、行っておいてよかった。
義父は、娘と遊んでくれたりしたのですが、その様子を見た義母に「あんなことするところ初めて見たねぇ」などと言われるくらい、自分の子供の面倒はあまり見なかったようです。
義父は60代後半、これくらいの年代の男性にはよくあることです。
うちの父もそうだしね。
義母は、夫が娘のうんちおむつを替えるのを見て、「今の父親はちゃんとやるんだねぇ」などと言ってたりしましたが、これもうちの父も一切やらなかったらしいしね。
そんな年代でも孫はかわいいのかよく面倒を見るというのも、よくあることですよね。
娘がかわいがってもらえてよかった。
亡くなる1週間前
1週間くらい前に、義父は、「もう抗ガン剤も効かないのでできることは緩和ケアしかない」と医者に言われたようでした。
持って数週間
とも言われたようです。
そして、娘の動画が見たいということになったようでした。
動画、今は簡単に送る手段はたくさんあるのですが、残念ながら、義実家は誰一人スマホを持っていません。
夫が義父のガラケーに送ろうとしても、エラーが出てしまうようでした。
そこで、義兄が義父にスマホを持たせる手配をしてくれました。
それができたのが亡くなる4日前。
でもLINEアプリを入れるなんていう高度なことはもちろんできません。
メールで送ると出る容量オーバーのエラーと格闘しながら、夫がなんとか動画を送りました。
返事は来ませんでしたが、多分見れたと思います。
なんとか間に合ってよかった。
お葬式、行けず
15日に亡くなりましたが、お通夜が17日、告別式が18日でした。
私は、コロナの中娘を連れて北海道に行くのは怖いので、行くのは無理という決断を早々にしたのですが、夫は行くべきかどうかしばらく葛藤していました。
できることなら行きたかっただろうと思いますが、埼玉も北海道も安定して感染者が出ているし、飛行機に乗るなら東京も通ります。
飛行機も、夫が問い合わせてみたけど、今は間隔を空けるような対処もしていないようでした。
無理だ…となりました。
死者のために行動したことで生者の命に関わることがあってはならない。
行くのは断念しました。
どうぞ、安らかにお眠りくださいお義父さん…。
心の中でお見送りすることにしました。
謎の機嫌の悪さを発揮する娘
土曜日、お通夜の日でしたが、娘は朝から大泣きでした。
なんでだか全然分からなかったのですが、朝起きてから2時間半ほどギャーギャー泣き続けました。
オエッと吐きそうになるくらいの泣き方。
こんな娘は見たことがない。
雨だったので気分転換に散歩に行くこともできず、ただ一人で娘と向き合う私。
私も泣きそうになりながらずっとだっこしていると、あるとき急に機嫌が直りました。
ほっとしましたが、夜になるとまた大騒ぎでした。
全然寝てくれず、大声でずっと泣き続ける娘。
うちの子はほんとあんまり泣かない子なので、どうしたらいいか分かりませんでしたが、最終的には泣き疲れて寝ました。
おじいちゃんとの別れ…?
次の日はケロッとしていた娘だったのですが、私は、
とふと思いました。
もしかしたら、魂が近くに来ていたのかも…。
天から娘を見守ってください
そんなわけで、私たちは義父と最後のお別れもできませんでした。
大変申し訳ないですが、義父はきっとそんなことを恨むような人ではないと思うので…。
私は結局、義父とは3回しか会えませんでした。
義父に一言言えるとしたら、
ですかね。
娘のことを空から見守ってください。
お父さん、さようなら。本当にありがとうございました。
それではまた!

