38歳で運命の出会い
高齢喪女からの逆転
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精神障害者作業所の思い出 バレンタイン

精神障害者の作業所にいた時のことをふと思い出しました。

福祉施設なので、ボランティアと呼ばれる方が入れ替わり立ち替わり来ていましたが、時々、福祉の勉強をしている大学生を、大学教授が連れてきていました。  

 

バレンタイン

ある時、バレンタイン企画のある当日に学生が数人来たことがありました。

作業所では、一ヶ月の間にやることを月末にみんなで決めて、それに沿って日々のイベントをこなします。

その日、バレンタイン企画は予定では午後だったのですが、学生たちが来るということで、午前中に終わらせました。

何故か? バレンタインは女子連中から男子連中にチョコをあげる企画ですが、初めて会うような学生に何かあげる義理もないし、私たちはみんな障害者で無職です。お金がない。

おそらくホワイトデーにお返し持って来るとは思えない初対面の学生に、何故あげなくてはならない?

その日学生が来ると分かった時に話し合って、時間をずらすことにしたので、学生たちが来る前に男性メンバーにチョコはあげました。

 

  無邪気な大学生…

すると、午後やってきた学生の一人が、スケジュール表を見て言ったのです。 「バレンタイン企画って何するんですか(わくわく)」

女性陣は唖然としていたと思います。初対面なのに、なんでバレンタインに混ぜてもらえると思ってるんだろう? と。

職員が「今日はもうやっちゃいました。去年はチョコフォンデュとかやったんだけど、今年はチョコあげただけです」と返答しました。

「チョコフォンデュいいじゃないですか! これからやりましょうよ!」 ………。

えーっと。お金は?

私たち男性陣にすでにチョコ渡してて、完全無職でクソ貧乏の人間には、それも結構な出費だったんですけど、さらにお金を出せと?

バレンタインは日本の慣習で女から男になってますから、負担するの私たちですよね? え?  

 

自己嫌悪…

でも! 一番腹が立ったのは、この大学生に対してではないんです! 大学生にバレンタインは? とせがまれて、え?金は? と思ってしまい、さらに、私たちにお金出せって言うの? とイラッとまでしてしまった自分。

相手は大学生ですよ。子供です。 まっとうに世の中に出ていたら、見返りなんか求めずにおごったりしていた相手であったかもしれません。

でもお金がないから、まず「金誰が出すの?」などと思ってしまう。しかも結構キレ気味に。

なんという余裕のなさ。 おそらく、障害者施設にいる人間がどういうものかも良く理解していない(おそらくこんなに年上の人間がそんなにお金持ってないことに思い至らなかったんではないかな?)であろう大学生相手に、何ムキになってるんだ…。

とても恥ずかしかった。 お金がないってつらいと思いました。

 

早く社会に出たい…と

そういうこともあって、私は早くこの作業所を出て働きたい、という気持ちを強く持ちました。

どうせ私なんかがいくらでもおごれるくらいの収入を得ることは出来ないけれども、せめて、子供のこんな軽口にガチギレするような人間にはなりたくない(大学生本人には何も言っていませんよ?)

精神的に余裕のある生活がしたかった。

結局、そういう劣等感は私の中ではすごく原動力になりました。 ああいうところに通って色々刺激を受けたのは、良かったのかもしれません。

私は無事に社会復帰しました。  

 

心の余裕は出来たけれども

今の私は、突然大学生がバレンタインをねだってきたとして、キレたりはしない心の余裕はあります。

でも正直、何の接点もない人間にプレゼントあげたりするような真似はやっぱりできないですね。 これは私が未だに貧乏だから…ではないですよね? 普通なのではないでしょうか。

あのとき「うわー恥ずかしい!」って思ったのも、若干認識が歪んでいたのかもなぁと思います。

過剰に自分を責めすぎたというか。 まぁ、実際ああいうことがあって順調に社会復帰出来たんだから、結果的には良かったんだと思いますが。

人生、何がきっかけでどう変わるか分からないですね~。 きっかけは他にも色々あったんだけど、なんでもきっかけになるくらい私は本気で社会復帰したいと願っていたんだろうな。  

それでは長くなりましたがこの辺で。

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